富山市岩瀬地区にある岩瀬大町通りは、回船問屋群のある街並みとして知られています。通りは、江戸時代に加賀藩の官道(北陸浜街道)として整備され、加賀藩の参勤交代の行列が通りました。このあたりは、東岩瀬の宿場町として栄え、北前船の回船問屋(森家、馬場家、米田家、佐藤家、佐渡家など)がありました。
富山ライトレールの最寄駅は、「東岩瀬」「競輪場前」「岩瀬浜」電停です。
北前船回船問屋「森家」は、代々 四十物屋(あいもんや)仙右衛門と称し、明治以降は名字を「森」と名乗りました。建物は、明治11年に建てられました。80坪ほどで、表から母屋、土蔵(2棟)、米蔵、肥料蔵と続いていました。現在は、母屋と土蔵(2棟)が残っています。
母屋の「オイ」は商取引が行われた場所です。囲炉裏が切られ、吹き抜けの梁(はり)、差物、帯戸の豪勢さが当時を偲ばせます。土蔵の扉には、森家の家紋と龍虎の鏝絵(こてえ)が施されています。建物は、平成6年に国指定重要文化財になりました。
森家土蔵群。かつては、土蔵として使われた建物です。現在は、田尻酒造(地元の銘酒:満寿泉=ますいずみ販売)、ごっつぉ館なかじま屋(なぜか、利賀そば屋さん)、ガラス工房、陶芸工房があります。
北陸銀行 岩瀬支店。旧岩瀬銀行本店の跡地に建っています。2006年4月の富山ライトレールの開業にあわせて、店舗の見栄えを町屋風にリニューアルしました。北陸銀行の看板は通常なら赤と白を使った派手めな物ですが、岩瀬では木目のおとなしい看板です。通りに面した、スムシコの出格子が良いです。なお、店舗自体は鉄筋コンクリートで、普通の銀行です。
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